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1356  哀しいかな 哀しいかな [詩・エッセイ]

 
「哀しいかな 哀しいかな」
 
わたしの畑に
キジバトのつがいが来るようになったのは
5~6年前くらいからであった
 
お気に入りの日は
ご馳走がどっさりと出て来る
鍬で畑を耕すとき
どっちが夫でどっちが妻であるかさっぱりわからないけれど
そこらじゅうを歩き回りご馳走を堪能して
知らない間に帰ってしまう
 
ときには一羽が竹竿にとまり
相方を呼ぶ
デデッポーポー デデッポーポー
デデッポーポー デデッポーポー
と鳴くので
わたしも真似をして
デデッポーポー デデッポーポー
デデッポーポー デデッポーポー
と唱和すると
デデッポーポー デデッポーポー
デテッポーポー デデッポーポー
 とまた唱和してくれる
キジバトとわたしのコラボを楽しんだこともあった
 
その後も
そのキジバトのつがいは
わたしの畑を縄張りだとでも思っているのか
キジバトのつがいは愛嬌のある歩き方で見回りを続けた
 
そのキジバトを観察していると
どうやらこのつがいには子どもが出来ないのか
いつも二羽だけで行動していた
 
今年の夏大雨が降った翌日の日のことであった
水溜りのできているところに
いつもの一羽だけが
まるで水浴びをしているかのような格好で
そこにうずくまったまま動こうとしなかった
よほど気持ちがよいのだろうと思い遠くから見守ることにしたのであるが
一時間が過ぎてもそのままの格好でいるので
わたしは不審に思いそばに近寄ると
いきなり羽音も高らかに飛び立ってしまった
飛び立つのを見て ああ元気だったのかと安心したのも
束の間
 
その水溜りは
鮮血で真っ赤に染まっていたのである
天敵の多いキジバトのこと
きっと襲われたのに違いないと確信したが
それにしても一羽だけだったのはどうしたことなのだろうと
心配でならなかった
それからしばらくキジバトを見ることができなかった
 
そのキジバトと再会できたのは
それから二週間くらいたってからのことであった
それも一羽だけであった
 
このキジバトは
この間の手負いのキジバトなのであろうか
それともあのキジバトはあの傷がもとで死んだのであろうか
一羽だけであらわれたキジバトはやつれはてていた
 
その寂しそうな一羽になってしまったキジバトのその姿を見て
わたしはついこのあいだ失くしてしまった
16年近くも連れ添ってきた愛犬みくのことを思い出してしまった
このキジバトも掛け替えのない相方を亡くして悲嘆にくれているのであろう
それでも生きなければならない悲しみ
 
愛するものを失う悲しみ
そのたとえようもない苦しみ
それが人であれ 犬であれ 鳥であれ
その悲しみに変りなどあるものか
 
 
あの高僧 弘法大師空海でさえ
空海がまだ山野修業をしていた僧侶の資格のない私度僧の頃に最初の弟子となった
姉の子 知泉が 高野山でたおれ帰らぬ人になると
空海は駆けつけ、一番愛した弟子 知泉の死を悼み嘆いた
 
「哀しいかな 哀しいかな 
また哀しいかな
   悲しいかな 悲しいかな 
重ねて悲しいかな
   哀しいことよ 哀しいことよ
 悲しいといっても
 帰らないということはわかっているけれど
やはり哀しい
  ああ悲しいことよ 悲しいことよ 
悲しいといっても
 帰らないということはわかっていても
どうしようもなく悲しい」
 
ほんとうの悲しみは、だれであろうと変わらないものなのだ。
そして、悲しいと思う心が、愛であり、大切なのだと思う。
 
 
 

 
 
 

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コメント 23

ニッキー

マザコン先代猫が亡くなった時にかみさんが「もうにゃんこもわんこも飼わない。」と泣いていたのを思い出しました。
愛する者をなくすって本当に悲しいですよね。
by ニッキー (2015-09-25 16:33) 

リュカ

そのときの未来さんの気持ち、お察しいたします。

空海さんのこのエピソードは泣けますよね。
どんな人でも、やっぱり悲しいという気持ちはあるのが当たり前。
ううん。人じゃなくてもありますよね。
ないとすれば、それは恐ろしいイキモノだと思います。
by リュカ (2015-09-25 16:46) 

未来

ニッキーさんへ
まさに、今の我が家がそんな状態になってしまいました。
人間は愛せない人でも、ペットの犬や猫なら真剣に愛せる人がいます。
人間は、なかなか無償の愛は捧げませんが犬や猫は捧げてくれますからね。
by 未来 (2015-09-25 17:18) 

未来

リュカさんへ
何時も傍にいて見つめていてくれたものが、
或る日突然居なくなる。
これほど辛いものはないと思いました。

ほんと、空海のあの言葉には驚いてしまいました。
悟りを開いた高僧である空海が、あれほどまでに悲しむ姿は
異様とさえ感じさせますね。
だけど、人間臭さを感じさせてくれます。
悲しんでくれる人が居る。
そんな人間でありたいですね。
by 未来 (2015-09-25 17:25) 

ゆうみ

命の重みも愛おしさもすべて同じなのにね。
悲しみは海のように深いと思います。
by ゆうみ (2015-09-25 17:48) 

みぃにゃん

キジバトその後どうなったのでしょうね・・・。自然界の厳しさをおもいしらされますね。人間が全てを保護することは不可能なのは分かってるけれどもなんともやるせない気持ちになります。
by みぃにゃん (2015-09-25 18:27) 

てんてん

ほんとそうですよね~
可哀想なキジバトさん
てんてんが死んじゃったらどうしよ~
寿命的に考えると 僕が先に死んじゃうんですけろ^^;
by てんてん (2015-09-25 20:01) 

タックン

キジバトはいつもつがいでいますよね。
一方を亡くしたキジバトは生きていけるのかしら・・・
空海お悲しみの叫び、心に染みますね〜
by タックン (2015-09-25 21:15) 

侘び助

疎い私は鳩で済ませてしまっています。団地内でも
クック・クック~ 今は鳩を食用としない時代・
平和に生きている鳥と気にも留めていませんでしたが
哀れですね。 義妹が十姉妹の子供が水飲み場に落ちて死んだと
泣いて話をしたのが、昨日の出来事です。
by 侘び助 (2015-09-25 21:27) 

ミントパパ

おお、鳩の話なら黙っていられません。
若い頃鳩レースに凝っていました。
生活の全てが鳩中心。鳩が最優先でした。
あれはとてもお金が掛かる趣味です。
若い時だから全てを犠牲にしてでも出来ました。
凝り性なので、その後も色んな事に熱中しました。
今でも多趣味ですが、鳩レースほど面白い趣味はありません。

鳩の夫婦はとても仲良しです。
抱卵も子育ても夫婦で行います。

山形新幹線ができる前、奥羽本線の特急は「やまばと」でした。
とてもカッコイイ車両でした。
それなのに、東北本線を走っていた車両と替えられてしまいました。
儲かる路線と儲からない路線とどっちを大事にするか。
悔しいけど仕方がないと諦めました。
キジバトを見掛けると、いつも「やまばと1号、2号」と勝手に呼んでいます。
by ミントパパ (2015-09-26 06:08) 

ミントパパ

書き忘れました。
最後に乗った奥羽本線「やまばと」の切符、駅で出さずにこっそり持ち帰りました。どこに仕舞ったのか忘れてしまいました。
by ミントパパ (2015-09-26 06:14) 

未来

ゆうみさんへ
このものだけは、この人だけは亡くしたくないと思っていても
思うようにはならないものですね。
それが宿命だとしても辛いものがあります。
by 未来 (2015-09-26 06:38) 

未来

みぃにゃんさんへ
同感です。
一羽だけは間違いなく生きているのですが、
傷ついたものが治癒したのか、
それとも、その傷が元で亡くなってしまったのか分かりません。
残されたものがしっかりと生きてほしいと願っています。
by 未来 (2015-09-26 06:44) 

未来

てんてんさんへ
仲良くしている姿が、とても微笑ましく
長生きして欲しいと願っていたのに残念でなりません。
てんてんちゃんは、間違いなく長生きします。
それはそれで心配しなくてはならないから悩みは尽きないものですね。
by 未来 (2015-09-26 06:48) 

未来

タックンさんへ
そうなんです。
何時も仲良く遊びに来てくれていたので残念でなりません。
今も、一羽だけは来てくれるのですが、
元気がなくて心配しています。
その姿を見ていたら、まるで自分の心を映しているようです。
ほんと、あんなに偉い高僧であっても悲しみは変わらないのだと
あらためて知る思いです。
by 未来 (2015-09-26 06:55) 

未来

侘び助さんへ
幼い頃の多感な妹さんのこと、
目の前に浮かぶような気がいたします。
いつの間にか私も年をとり、命のはかなさを知るようになりましたが、
もっと早く、命の大切さを知りたかったです。
by 未来 (2015-09-26 07:01) 

未来

ミントパパさんへ
ミントパパさんのブログを拝見していると、
その多様な趣味を垣間見るようです。
私も猪突猛進型で、何をやるにしても脇が見えなくて前しか見えません。
私はそのことで、どれだけ失敗を重ね後悔して来たことでしょう。
だけど、その反面、やってよかったということもありますから、
何もしなかったよりは、良かったと思うようにしております。
ゆったりとした在来線に乗って旅がしたいものですね。

by 未来 (2015-09-26 07:10) 

斗夢

命あるものが亡くなる・・・悲しいですね。
それなのに人の命を奪うのはどんな心なんでしょう!
山の手入れ作業の時、雑草を刈ったり竹を間伐しますが、命あるものを
切るのですから山に入るとき帽子をとって頭を下げます。
by 斗夢 (2015-09-26 08:19) 

citron-2


こんばんは。
毎年、家の軒先にツバメがくるのですが一度は必ず
襲われてしまいます。食べきれなかったちいさなツバメが
死ぬ手前でぴくぴくしているのは可愛そうで見ていられません。
残ったキジバトは今、どうしているのかきになります。
自然界も厳しく悲しいですね。みくちゃんの名前が
出てあちらの世界でどうしているんkな~と。きっと未来
さんを守ってくれているんでしょうね。

by citron-2 (2015-09-26 18:42) 

未来

斗夢さんへ
斗夢さんの仰る通りです。
生命の源をたどると一つに辿り着くとか、
命ある物を頂くときは頭を下げるべきですね。
命あるものが亡くなる・・・ほんとうに悲しいです。
by 未来 (2015-09-26 19:23) 

未来

citron-2さんへ
自然界の掟は、本当に厳しいものがありますね。
一生懸命に生きているのに、自然の節理に負けてしまう。
どうか強く生きてと祈るばかりです。
みくの死は受け入れなければならないと思いながらも、
余りにも身近に居たので、とても辛かったです。
そんなとき、弘法大師さんの、あの言葉を思い出し慰められました。
あのような偉い人ですら、あのように嘆いておられるのですから。
残ったキジバト、昨日も来てくれました。
by 未来 (2015-09-26 19:36) 

たこ

自分が辛い思いを経験すると
人を思いやる事ができる。
と言いますよね。

それは人でなくても
命あるもの全てに言えるのだと思います。

どうぶつ達は人間より寿命が短いです。
それは犬であれ猫であれ
命の大切さを身を以て教えてくれるのだと
僕は信じています。


by たこ (2015-09-28 19:01) 

未来

たこさんへ
たこさんが言われている通りで、
まったく同感です。
みくに死なれ、
種の違いなどなくて命の大切さを新たにした思いがします。
その所為なのでしょうか、あれから臆病になってしまい、
あんな辛い思いをしたくないなどと、つい思ってしまいます。

by 未来 (2015-09-29 07:05) 

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