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1362 ふるさと [詩・エッセイ]

 
「ふるさと」
 
もみじ ゆうぐれつるべ落とし 一番星があらわれるころ
観光バスは疾走する
 
頭は つるつる
のこる髪は しろしろ
顔は しわしわ
入れ歯は がたがた
足は よれよれ
それでも旅をするじじばばたち 黄昏を共食するじじばばたち
 
一泊二日の
紅葉秘境の旅物語の終わりは
歌が苦手な妙齢をはるかにすぎたるバスガイドさんが
恥ずかしげに ものしずかに唄いはじめたのは
ふるさと
 
うさぎ追いし かの山 こぶな釣し かの川
 
あかぺらで控え目な声で唄う
その声に唱和して
 
夢はいまもめぐりて 忘れがたき  ふるさと
 
さらに唱和の声は高くなり
 
いかにいます 父母 つつがなしや 友がき
雨に風につけても おもいいずる ふるさと
 
いつの間にか
じじばばが唄う しわがれの声は
遠き日のわれと
近き日のわれを
思うのか
声はふるえ るいせんの弱きなりしひとみからは
しおからい水がながれ
拍手がかさなる
 
志を果たして いつの日にか 帰らん
山は清きふるさと 水は清き ふるさと

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1361 惚け老人とクソ医者の決闘 [詩・エッセイ]

 
「惚け老人とクソ医者の決闘」
 
物忘れが酷くなり、
新しいことを覚えるのが困難になりつつあるのを自覚するようになったので、
脳神経外科でMRIの検査をしてもらったところ、
脳に透き間が出来ているとのことでした。
テレビなどで、その予防とか、進行を遅らせる方法があると聞いていたので、
私の担当医にその事を聞くと、けんもほろろに、
「そんなものはありません」と言われてしまった。
そこで、へそ曲がりの本性を現した私は、
このクソ医者のためにも絶対に惚けてなどやるもんかと一大決心をした次第です。
10年以上も前に小説童話を書いたことがあります。
そのことを理由にして 、
惚け防止のために 新しい小説を書くことにしました。
たしか前にも、
そんなことを書きましたが、再度改め、
恥をかなぐり捨て
宣言します。
惚けるのが早いのか、それとも小説を完成させることが出来るのか、
これから競争です。
問題は多々あり過ぎて困っています。
簡単な言葉が出て来ません。
文章が相変わらず下手なのが致命傷なのと、
もともと構成力が無いのです。
だけど、ストーリーは面白いと自画自賛しないと前に進めません。
もし完成したら、拍手をお願い致します。
そして、冒頭に使う詩を掲載しますが、
これも、自作の焼き直しですので悪しからずご了承願います。
 
「菜の花」
 
まばゆいばかりに輝いている
こがねいろの海
 
ことしも
襤褸家のまわりの畑には
たくさんの菜の花が咲いてくれました
 
あなたを見ていると
なぜかぼくの心はなごみます
 
華やかなのに
ひかえめで
ちょっぴりさみしげに微笑んでいる
あなたの姿は
わたしのやさしかったお母さんのようです
 
あなたのあたたかいふところのなかに
寝ころんで
ミツバチやチョウチョたちと遊んでいたら
 
そよ風がふいて
菜の花の波がおしよせ
わたしのほおを濡らして行きました
 
 
 
 

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1360 畑めいわく [詩・エッセイ]

 
「畑めいわく」
 
日本では
テロもなければ
戦争もないから
理不尽なことの矢面にさらされることもない
 
わたしたちの畑のまわりには
黄金色の稲穂がたわわに実り
赤トンボと
曼珠沙華の花が
紅葉の先陣争いをしている
 
その季節の色のうえを
ゆうゆうと
羽音も高らかに白鷺が飛んでゆく
自然はなんと美しいのだろうと
感傷にひたっていたら
 
いきなり
女の人の怒鳴り声
それに呼応するかのように
男の人の 罵声が
それに応え
畑の中の無粋な夫婦の争いは延々とつづいていく
 
これも争いには違いないが
日本の争いは
血が流れることもないし
人が死ぬこともない
ただ ただ
いつもいつもはた迷惑なだけである
 
 
 
 
 
 
 
 

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1359 昼下がりの訪問者 [詩・エッセイ]

 
「昼下がりの訪問者」
 
書き物をしている私の部屋に来て
家内は
興奮して素っ頓狂な声で
ベランダーにイタチがいるからどうにかしてくれという
 
ここはマンションの三階である
間抜けな泥棒ならいるかもしれないが
そんな間抜けなイタチなどいるもんかと言いながら
ベランダーに覗きに行くと
乱雑に置かれた不用品ばかり目について
寝言を言うなら綺麗に片付けをしてから言ってくれと言ったとたん
網戸ごしの私の目の前に
見たこともない珍獣が網戸に前足を掛けて
中に入れてくれと懇願している?
 
人なっこそうなその珍獣は
網戸を開けると
私の掌の中に抱かれて愛想をふりまいてくれた
その愛らしさに
しばらく一緒に遊んでもらったのだった
 
その珍獣は
およそ誰のものであるか見当は付いていた
それは一週間ほど前に
この三階に引っ越しされて来た新しい住民の物であろうと思われた
愛らしいペット
ベランダー越しに引っ越しの挨拶に来てくれたのだろう
 
しばらく遊んでもらった後
そのペットを連れて お宅のペットではありませんかと尋ねると
押し入れやら何やら探し廻っていたとのこと
泣きべそをかいていた小さな女の子
お母さんに叱られていた
 
そのペットはフェレットであった
とても可愛いくて
何処かで逢ったことがあるような気がした
きっと みくがフェレットに変身して遊びに来てくれたのだろうと思った
 
やさしく癒してくれる訪問者であった
生きていれば
きっと好いことがあるという証明書付の
昼下がりの訪問者であった
 

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1358 世にもみっともない話しの物語 [詩・エッセイ]

 
「世にもみっともない話しの物語」
 
今も泣き虫
昔も泣き虫だった
 
男の子は
歓びや怒りや悲しみや 快楽のために
その喜怒哀楽を
その感情や涙などを
その顔に
表すものではないと幼い頃より教えられたものだったが
 
その教えを守らぬままに
私は
古希を迎えてしまい 今を生き長らえている
 
幼い頃
目覚めるとそばに母がいなくて
絶望のあまり
嘆き悲しんで泣き叫んだこともあった
 
母が買い物に行くだけで
身も世もなく
すがりついて悲しんだあの頃
 
常に涙は流れる川のように流れるばかりだつた
 
父が亡くなり
母が亡くなり
そのうえ我が娘と別れなければならない悲しみがあり
目方の何分かの一の涙を持って行かれた筈なのに
それでも涙は
新たな悲しみに
ゆく河の水の流れが絶えないように
しかも もとの涙にあらずして
新たな涙は止めどもなく流れるのであった
 
産んでくれた親に食べ物ももらえず死ななければならない
子どもたちもいれば
その国の 弱い人を助けようとして
その国の人に殺される人もいる
老いてしまい我が身さえ支えられなくなくなってしまった老いた犬は
保健所に連れて行かれ
一日一日迫り来るガス室の恐怖におののきながら死を待っている犬もいる
 
愛したものが
次から次へと身の回りから消えていくのが生き物の宿命なら
せめて
あの世で生きるときだけは約束してほしい
 
お願いだから
わたしの愛しているものたちを奪わないでほしい
それ以外は
なにも望みはしないから
 
幼い頃から泣き虫だった私は
今も泣きじゃくりながら
そんなことを願っている
 
 
 
 
 
 
 
 

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