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1374 地獄の鬼たちは働き者だ [詩・エッセイ]

 
「 地獄の鬼たちは働き者だ」
 
身長195センチ体重120キロの
大男の
二十歳になる指定暴力団員は
三歳の
男の子に睨まれたからと言って
一時間半にわたり
何度も何度も顔を殴り投げ飛ばし
殺してしまった
 
十倍もあるであろう大男に
三歳の
小さな男の子が
一時間半にわたり
殴られ投げ飛ばされ殺されたというが
そんなことが信じられるであろうか
 
お腹が空いたと言って親に助けを求めたのに
食べ物が貰えずに飢え死にした
幼児もいた
幼児の顔に
沸騰したお湯をかけて殺した親もいた
 
私たちが今暮らしている街は
人の生きている街なのであろうか
いや
そんな筈はない
 こんな人でなしの街が
人の生きている街なんかであるもんか
きっとここは
最悪の地獄にある街に違いない
その証拠に
眼を覆いたくなるような惨たらしい幼児虐待は
止まることを知らないし
この街の人たちは
それを止めようともしていない
 
ここは地獄の街だから
今日も、
そして明日も明後日も
忌まわしい幼児虐待は続くだろう
地獄で働く鬼たちは
生真面目で
勤勉で働き者だから
 
 
 
 

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1373 ホテル滞在記 [詩・エッセイ]

 
ホテル滞在記」
 
これはホテルを誹謗中傷するものでもなく
そこで働いておられる人たちを非難するものでもなく
得難い体験を記録するものである
 
北陸新幹線に乗って二泊三日の信州観光旅行
予算は一人五万二千円
とても豪華とは言えないものの
そんなに安いものとは思っていない
 
 
ホテルに着いたら鍵を渡され
自分たちで鍵を開け部屋に入って
驚いた
左上の天井が破けソケットがぶら下がり ?
左右に開く二枚のカーテンの左の部分が簾のように擦り切れ派手に破れていた
右の部分はまったく破れていないのに
どうしたらこんな状態になるのだろうと不思議でならなかった
他の部屋も同じようになっていたらしい
 
夕食前に風呂に行くと
窓の小さな殺風景な大風呂があり
冬季降雪時期は閉鎖と書いてあった
露天風呂が楽しみで温泉ホテルにやって来たはずなのに???
 
夕食に行くと料理が並んでいた
ハンバーグ 八宝菜 焼き魚 野菜鍋 味噌汁 他にも数種類があった
ハンバーグに箸を入れると硬い
口に入れると冷たい
八宝菜の海老を口に入れても冷たい
鰆の焼き魚も固くて冷たい
味噌汁はとてもぬるく
その上に浮かんでいる麩は汁を吸うことも出来ず
何時までも浮かんだままであった
この料理のほとんどの物は
さっきまで冷蔵庫に入っていたのに違いないと思った
すべての物が冷たくて硬かった
暖かいのは
うどんの入った野菜鍋だけだった
それだけを食べて部屋に戻ったが
お腹は空いていた
 
このホテルには
おもてなしという気持ちも
その気配も
露一つ微塵も感じることが出来なかった
せめて料理が暖かかったなら
こんな気持ちにはならなかったであろうと思う
 
横になると煎餅布団まで硬く
背中が痛くて朝まで眠ることが出来なかった
 
最悪の観光旅行になるのではないかと思っていたのだが
さに非ず
翌日の観光も
その日に泊まった観光ホテルも
これまでにない最高なものであった
この観光コースを企画立案した企画者は
それを知ったうえで
それを計算したものであったなら
お見事と
言うしかないと思った
 
うだるような真夏の熱さの中に
涼しさがあり
凍えてしまいそうになる厳冬の中に
温もりがあるのだと思った

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1372  298円その半額の至福の時間 [詩・エッセイ]

 
 
298円その半額の至福の時間
 
スーパーで298円の半額の鯛のあらを買った
家で鱗をとり血抜きをして
それに塩を振りかけ容器に入れて
畑にある囲炉裏に向かった
 
寒い朝であった
その囲炉裏で焚火をして暖をとった
暫くすると
焚火にはいこりも出来たが小枝の煙も出ていた
煙の臭いも火の熱さも
味の一つ
 
その上に大きな網を乗せ
網の上に鯛の身の方を下にして乗せる
火と鯛の間は
やや遠火
じりじりと時間をかけて炙ると
いい匂いがしてくる
じりじりと一番初めに身を捩りはじめるのは皮の部分
何度も何度もそれをひっくり返しながら炙る それは胡瓜との和え物になる
その次は
平べったい骨についた身がじわじわと脂が沸き立ちはじめる
それを何度もひっくり返し わきにどける
その身の部分は鯛めしになる
他の部位からも鯛の脂は沸き立ちはじめ煮えくり返る
それをひっくり返しひっくり返し
時間をかけて炙るほどに
鯛の香ばしい匂いは我が鼻孔をくすぐり
誘惑を始める
誘惑に弱い私は 思わず箸を延ばし
鯛の脂が沸き立ち火のついた一番美味いカマの部位を掴み
口の中に放り込む
口の中が爆発して粘膜は火傷をするが
その旨さの方が勝り
貪り喰らい
そこに日本酒を流し込む
 
それは至福の時間
それは快感
それは甘露
感極まりて我はとち狂って叫ぶなり
旨い
旨過ぎると
 
298円の半額の一人の晩餐会は贅沢の極みであった
食べ切れない残り物は
鯛の皮の和え物となり、
鯛めしとなり
その骨たちは翌朝の味噌汁となる
その味噌汁が
これまた絶品なのである
 
皇帝や王侯貴族の喰らう贅沢三昧飽食三昧の料理
世界の三大料理など
糞喰らえである
 
 
 
 

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1370 なきむしじじい [詩・エッセイ]

 
なきむしじじい
 
おさないころからなきむしだったが
なきむしは
いつまでたってもなきむしだ
たとえ
おとなになってもじじいになっても
なきむしはなきむしのままだ
 
まちなかでみかけた
あのひととあのむすめはよくにていた
おもわず
おいかけてしまった
ほろにがい
あくむのようなかんびのような
おもいでは
わすれようとおもってもわすれられない
いつもふいにおそってくる
 
いなおって
そんなおもいでをさかなに
ひとりのむさけは
にがくてしょっぱいあじがする
 
おいさらばえて
すぎさりしひびになんぼいいわけをしてみても
ひとくち
またひとくちとのむほどにさけはにがくなり
ぼろぼろ
ぼろぼろとなみだはこぼれたり
 
いろりのひとつめたいかぜだけが
すきまかぜのはいる
あたまをひやし
ぶしょうびげのはえたほおを
かわかしてくれる
 
 
 
 
 
 
 

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