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1396 若鮎 [詩・エッセイ]

 
若鮎
 
若葉青葉が繁る頃になると
遠い海から
見目麗しい
香しい若鮎の乙女たちは
遠路はるばる
月の川を上って来る
 
水底が透けて見えるほどに澄んでいる
水面の光の中を
そのからだから匂う
夏の香りを
まわり一杯に振り撒きながら
かろやかに
しなやかに
たおやかに
舞いを踊っているかのように
競うように
華奢な身をくねらせながら
上流をめざす
 
美しい鮎の乙女たちが上って行ったあとの
水の中の
苔生した岩肌には
鮮やかなくちづけの痕が
くっきりと残っていた

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1395 百万本の薔薇 [詩・エッセイ]

 
百万本の薔薇
 
その日わたしは
畑で大好きな百万本の薔薇を聴きました
その原曲は
この詞とは似ても似つかない
大国ロシアに
その運命を翻弄されたラトビアの苦難を暗示する詞だそうです
 
だけどわたしが聴いてきたのは
加藤登紀子さんが訳詞して唄った百万本の薔薇でした
こじつけもいいところですが
わたしの拙いブログが
総閲覧数が1000000に達することが出来ました。
自分のブログを見直すたびに
拙くて 恥ずかしくて穴があったら入りたい気分になります
だけど
拙いブログであっても読んで下さる人に
心を込めて感謝がしたいです
ありがとうございました
 
そのブログも
小説に熱中するあまり
掲載する頻度が激減しておりますが
それでも見捨てることなく読んで下さり感謝しています。
今後とも
この拙いブログのこと宜しくお願い申し上げます。
 
偶然は重なるものです。
今書いている小説
(仮題) ノスタルジア物語・・・日の名残り・・・の第一稿が 今朝たった今530枚が完成しました。
その最後の数行
 
 
少年老い易く学成り難し
爺も
婆も
ほんの少し前まで
少年であり
少女でありました
 
 
 
 
 

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1394 茜色の小道 [詩・エッセイ]

 
茜色の小道
 
極彩色の絵のような
波乱万丈な絵物語のような
黄昏から
夜が始まるストーリーを書くのは
三百六十五人の作家たち
四年に一度の閏年は一人少ない三百六十四人の作家たち
日によって
常に違う作家が書いている
つまり
一日一日は
大河ドラマのような連続ドラマは書けないのだ
日替わり定食ならぬ日替わり作家たちが書いているのだ
だから
上手い名人級の人が書いたら
満足もするし
感動もするが
才能の欠片も見当たらない三文作家が
書いた日には
眼も当てられなくなってしまう
 
だけど今日は
宮沢賢治のような素敵な童話作家だった
 
西の彼方を見れば
瀑布のように広がる
茜色の雲
その雲の中で真っ赤に燃え滾る
金色の玉は
滝壺に吸い込まれる水のように
物凄いスピードで
沈んで行く
 
そのフレームの中で
蝙蝠たちは
最新鋭のジェット戦闘機よりも早く
UFOよりも
ジグザグに鋭角に正確に飛び回り
微細な虫たちを
捕食する
 
その後に
一番星が現われ
でっかい大輪の花のような
月が昇る
 
そんな茜色の小道に夜の影を残しながら
ゆっくり
のんびり
自転車を押しながら
ますます小さくなる老いた母と
二人で帰る
 
そんな町はずれの
夜空には
控え目な星たちが
瞬いていた
 
 
(ノスタルジア物語より)

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1393 えたいのしれぬもの [詩・エッセイ]

 
えたいのしれぬもの
 
大人になる前の男の子には
或る日
予告もなく
じぶんの体の中に
えたいのしれぬものがいるのを
知ることになる
 
その不思議なるものに
戸惑い
おそれおののきながらも
憧れ
彷徨いながら
大人になる
 
(ノスタルジア物語より)
 

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