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1449 そして誰もいなくなった [詩・エッセイ]


「そして誰も居なくなった」


里に

人が一人いなくなり

二人いなくなり

牛のゲップの音も

馬の嘶きの声もしなくなり

お店がなくなり

電車もバスも走らなくなりました


里に

赤ちゃんの泣き声がしなくなり

子供たちの甲高い喚き声も聞かなくなり

学校は廃校になってしまいました

春と秋が来なくなり

夏と冬だけになりました


里に

残ったのは

お爺さんとお婆さん

そして

目脂をつけてよろよろと歩く猫と

涎を垂らしながらよたよたと歩いている犬だけでした


里で

灼熱の夏にお爺さんが亡くなり

厳冬の冬にお婆さんも亡くなりました

よろよろ歩いていた猫も

よたよた歩いていた犬も

同じように亡くなってしまいました


そして

里には誰も居なくなり

残ったのは

荒れ果てた山と 田圃と 畑と 墓石だけでした


そして

里の主になったのは

虫と

鳥と

獣たちと

あてどもなく彷徨う魂を乗せた

風と

雲だけでした

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1448 神田神保町 [詩・エッセイ]


ぐうたらな性格である私は、

自分を追い込まなかったら何もしないで歳を取るばかりの男です。

それは自分の過去をふり返って見れば一目瞭然なので、

それならばと奮起して新しい小説を書くことにしました。

題名は「神田神保町」です。

この題材は十数年前から温めていたもので、

物語は、

東京の神田神保町の古書街で出会った若い二人の男女が恋をして結ばれ、

共に五十代にさしかかった頃、

或る日突然、最愛の妻に先立たれ苦悩し再起する物語です。

書き始めたのは

七十四歳になった私の誕生日の12月24日のクリスマスイブの日でした。

完成するのは今年の誕生日の予定です。

壊れかかった頭なので、

この小説は完成するかどうかは分りません。

どうして頭の壊れかかった今になって書くのでしょう?

自分でも理解出来ません。

強いて言うなら「神田神保町」の題名が気に入っているから、

どうしても、これだけは書きたかったのかもしれません。



(その中の一章の断片より)

第二章・神田神保町

神田神保町は世界一の本の街であるが、私と雅子にとって青春そ

のものの街であった。                                                     

神田神保町古書街は、主に、東京都千代田区神田神保町にある古

書店などが密集している場所の総称であり、岩波書店、小学館、な

どの大手出版社、印刷所、新館を扱う一般書店の他に、専修大学、

明治大学、日本大学など大学、学術関係の施設もあり、これらが一

 体となって本の街、神田神保町を形作っている。         

神田神保町には、十月下旬より、十一月初旬にかけての十日間、

神田古書連盟による最大の年中行事「神田古本祭」が開催される。

書物に関する様々なイベントを通し、多くの読書人に支持され、

近年は東京名物として定着し、日本全国はもとより、海外からも

多くの人々が訪れている。                 

靖国通りの歩道には、古書店百六十店、在庫一千万冊を誇る青空

古本市と呼ばれる書店と書棚に囲まれた約五百メートルの回路出

現する。                                                                      

そこには本の街の文化遺産、希少書の展示、博物館や美術館でしか

見られない古典籍から肉質資料、近代初版本、普段店頭には見られ

ない内外の貴重書籍を集めたイベントがあり、本好きのお宝探しに

は堪らない催しものである。                                              


   私と雅子の出会いは神田神保町の古本屋であった。         

私が田舎の高校を卒業して東京の葛飾区にある鉄工所に就職して間も 

ない頃で、雅子は成城の高級住宅街の大邸宅に住むT大学経済学部の二

回生で私よりも一つ年上であったが、その境涯も天と地ほどの違いが

あった。                           




                           




          

                 



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1447 [詩・エッセイ]


「日は昇る」


雲のすき間から日は昇り

風は凪いで

おだやかな初日の出は空に向って昇って行く

美しい

なんとゆう美しい光景なのだろう

ありきたりの

昨日の続きの日の出なのに

あらためて

その美しさに見惚れてしまう


この美しさを

当たり前だと思うのはやめよう

私たちの命に終わりが来るように

いつまでも

日本に四季があると思うのもやめよう

この蒼い水の星

地球が永遠ではないように

何時かは終わりが来る

すべてのものに終わりが来るように

何時かは消えてしまう

だけど

眼に焼付けた光景だけは永遠なのだ

それだけが真実なのだから




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